代表者あいさつ
私たちの世界はいま、深い痛みと不安の中にあります。
戦争や紛争が再び激しさを増し、多くの命が失われ、平穏な日常が脅かされています。
地震や災害、感染症、経済の不安定さ、そして心の問題──これらすべてが重なり、私たちは「どこに希望があるのか」と問いながら日々を生きています。
日本に目を向けても、いじめや誹謗中傷、孤独、関係の断絶など、人と人とのつながりの中で深く傷ついている方々が少なくありません。
「もう無理かもしれない」「誰にも理解されない」と感じている人が、どれほど多いことでしょうか。
しかし聖書は、そのような人々にこそ、神様のことばが届くと語っています。
(詩篇 34:18、イザヤ書 57:15、マタイの福音書 5:3、マタイの福音書 11:28、イザヤ書 61:1、詩篇 147:3、ルカの福音書 4:18、ヘブル人への手紙 4:15、コリント人への手紙 第二 1:3–4、ローマ人への手紙 8:26)
イエス・キリストは、私たちの痛みを知っておられる救い主であり、今も変わらず「あなたは高価で尊い」と語りかけてくださるお方です。
TWRは、1954年の創設以来、この福音の希望をラジオをはじめとするメディアを通して世界に届けてきました。
現在では、190を超える国と地域で、200以上の言語と方言で神のことばを語り続けています。
そして今、TWRはラジオだけでなく、インターネット、SNS、ポッドキャスト、動画、モバイルアプリといったあらゆるデジタル技術を活用して、現代の人々の心に届くかたちで福音を伝えています。
それは、スマートフォンの中のひとつの声、深夜に届く静かな音、ふと目に留まるひとつのメッセージかもしれません。
けれどその声が、誰かの人生に新しい光をともすきっかけとなると私たちは信じています。
日本においても、TWR JAPANは地域に根ざしたコミュニティFMでの放送、SNSや音声コンテンツによる発信、トラクト配布、そして海外のクリスチャンたちとともに祈るオンライン祈祷会などを通じて、今この時代に必要とされる福音の声を届け続けています。
TWRは、目に見えるものを配る団体ではありません。
お腹を満たすことはできないかもしれません。
でも、心のどこかで渇きを覚えているあなたと、いのちのパンである神のことばをともに味わいたい──それが、私たちの願いです。
この世界のあらゆる痛みと混乱の中で、変わることのない神の愛と希望を、これからもTWRはメディアを通して語り続けます。
TWRのはじまり
https://twr.org/our-story
-TWRの創設者ポール・フリードはスペインという国に初めから興味があったわけではありませんでした。
ポールは、アメリカ国籍でしたが、宣教師の子供としてアラブ世界で育ちました。1948年に、アラブ世界だけでなく他の世界も見聞きして旅してみたいと思いました。 導きによってスペインという場所を示された時それは彼にとってとても想定外な地域と場所でした。
導きのきっかけはスイスで行われた国際会議で二人のスペイン人男性に会ったことでした。その二人は彼に、スペインで三千万人の国民にイエスの福音を届けてくれないかと懇願したのです。はじめはスペインでどうやって、福音をとどければ良いか見当もつきませんでした。
しかし、彼はその場所に行くことを決心します。
ポールはこのことをのちにこのように言っています。
「それは気が進まない不本意ながらの回答でしたが私は神様に『スペインに行きます。』とお答えして、向かいました。スペインに滞在中の数日間、神様が私の将来の働きのための骨組みを築いておられたということに、その時は気付く余地もありませんでした。」
それはTWR(Trans World Radio)の将来の働きにつながるものだったのです。

スペインを旅する中でイエスについて知りたいと熱望する人々と出会った後、ポールには絶えず心に抱いていた疑問がありました。
「どのようにしたらより多くの人が神のいつくしみに触れ、聞くことができるだろうか?」
スペインだけでなく世界中には福音つまり十字架で成し遂げられたイエスの御業を聞いていない人がまだ何百万人もいました。
問題はあきらかではあったものの、その解決は相当に複雑なことでした。
スペインはヨーロッパ全体の中で二番目に山の多い国であり、簡単に近づくことができない地域が多い、複雑に織り込まれた地形でした。
「この問題を解決する答えはラジオしかなかった」と ポールは言います。
「当時は山も谷も越えて、内陸のマドリードから沿岸カディスまで国全体をカバーできるものはラジオ以外、何もありませんでした。働きの初めに受けられる支援は何もありませんでした。そして、何から始めれば良いのかもわかりませんでした。 ですが、一つのことを確信していました。主が疑いもなく、私とスペインの間に心をつなぎ合わせてくださったということです。」
その召命の道は容易に進められるものではありませんでした(容易く進める召命はほとんどありません)。
ラジオに関して、ポールにはお金も、人脈も、ノウハウも全くありませんでした。

神は、ポールの驚く形でその扉を開かれました。
モロッコのタンジール内から放送できるラジオ放送局が与えられたのです。
なぜ神は、アフリカに道を開かれたのでしょうか?
スペインから水路でわずか42キロしか離れていなかったにしろ、なぜスペイン内でなかったのでしょうか。
ー愛をもってタンジールからスペインに向けて
ポールはこの時はタンジールに行きたいとは思いませんでした。しかし、彼と彼のチームはモロッコの地に立ちスペインのほうを見渡した時、ここにはスペインではできなかった電波塔の建設などができるとわかったのです。
道のりは順調ではありませんでした。それでも彼らは祈り続けて、神は必要を備え続けてくださいました。
「私たちのビジョンはキリストに根ざしたものだという確固たる確信がありましたので、決して後戻りしませんでした。これが特異な仕事であるということに落胆させられることもありましたが、その都度安心感が与えられました。また私たちはこの状況の中で孤独だったわけではなかったのです。」とポールは振り返ります。
ポールたちはラジオの専門家ではありませんでしたが、彼らの思いと心は電波が持つ可能性をつかんでいました。周りの人々は、このプロジェクトに取り掛かる前にもっとラジオについて学ぶことを勧めましたが、彼は各分野に対応できる人々を神が備えてくださるいうことに信頼しました。

「他のいかなるツールにもまさって、ラジオこそがあらゆる壁や境界を越え、聴く人の心の個人的な部分にまで及ぶことができると思いました。」とポールは言います。
「私は世界中の人々が霊的に飢え渇いている『一つの世界』があると考えました。そしてその飢え渇きを満たす福音が届けられる権利を一人一人が持っていることを分かっていました。
「神様の視点では、すべての人が愛されているということに間違いありません。神様にとっては、人々の間を隔てるいかなる境も違いもありません。私の核心が明らかになりました。すなわち、イエス・キリストをかしらとする教会の器官である私たち信者の宣教を通して『福音(良い知らせ)』は、例外なしに世界中のすべての人々に届けられるということを」

「山々を越え、谷を渡り、村々とオリーブの木々とブドウ園を巡ることができる電波。小売商人、闘牛士、港湾労働者、行商人、熟練工、 農家たちの思いと心にまで入り込むことができる電波。貴族たちのラヴィッシュ・マンション、小作農たちの土製の家に浸透できる電波。『福音(良い知らせ)』は心を開きそれは受け入れるすべての人にいのちを与えることができます。」
1954年、伝道番組「タンジールの声」が初めてモロッコからスペインに向けて放送されました。
それから神は、ラジオ放送をする上でより良い立地を与えてくださり世界で最も福音が行き届いていない諸地域に向けても放送する道を開き始めてくださいました。
私たちは今日、190ヵ国にいる何百万もの人々にそれぞれの母国語で聖書の真理を届けています。
70年以上にわたって、TWRは疑いから信仰へ、信仰からキリストの弟子へと導くために、喜びと希望をもたらすコンテンツをさまざまな伝道団体と協力しながら届けています。神様の偉大なお働きに感謝いたします!

日本の働き
コミュニティFMでの放送は東日本大震災の2年後の2013年に始まりました。その当時、被災地域は復興に向けて歩き出してまもない時でした。
多くのものを失った方々への慰めのことばと神様の癒しを届けることはできないかと思い東北各地のコミュニティ放送を訪問しました。
はじめはわからないことだらけで、飛び込みで番組を放送させてほしいと伺いましたが、神様は不思議な形でコミュニティFMでの放送の道を開いてくださり、多くのFM局が好意をもって放送に賛同してくださいました。放送局は年々、増やされていて2025年現在、全国のおよそ30局で神様や聖書に関する放送を行っています。
また、私たちはTWRの世界的なコネクションの中で海外の方々と交流しながら活動しています。定期的に海外のクリスチャンと交流することで日本の教会、宣教や奉仕活動の様子を分かち合っています。海外には日本のために多くの方々祈ってくださっていることを知った時は大きな喜びと感謝の気持ちでいっぱいでした。
今後も神様とともに日本の多くの方々に福音を届けて行くことが私たちの使命です。
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